食堂やレストランのテーブルに載っている調味料と言えば醤油とソース、胡椒と塩と相場が決まっていたものだが、何時の頃からであろうか、オリーブ・オイルが定番に加わりどこの食べ物屋さんでも極普通に見かけるようになった。ホテルで朝食をとるときなども、自分はバターかジャムしか使わないが、若者たちがオリーブ・オイルをたっぷりとパンやサラダに載せて食べているのは当たり前の風景である。
地中海地方の食文化の一端を担ってきたオリーブ・オイルが数千年の時を経て、遥かオリエント東端・ジパングに根付き始めたのであろうか。
「家族で小豆島に行ってきた」という義弟の長男から島特産のオリーブ・オイルをお土産に頂いた。井上誠耕園の「EXTRA VIRGIN OLIVE OIL 完熟搾り」と「PURE OLIVE OIL」がセットとなっていたから、結構な値段であったであろうと思う。
お勝手に調理用のオリーブ・オイルは常備してはいるが、テーブルユースのオリーブ・オイルが我が家にやってきたのは初めてだ。これまで食パンにのせて食べる習慣もなかったから「どうしたものか」と思案していたが、色々試してみて「これはいけるぞ!」と小躍りするほどのレシピ?をモノに?することができた。
妻から「馬のように食べる」と笑われるほど野菜類は大食いなのだが、なにもかにも高止まりしている昨今は「馬」の如くとはいかず「兎」くらいに止めているが、中皿山盛りキャベツにパセリやブロッコリーを加え、たっぷりとレモンの搾り汁をかけ、その上から、やや多めにオリーブ・オイルをかける。
これは、さっぱりとして非常に美味い!
もう一つ、同じく「パセリ&ブロッコリー添え中皿山盛りキャベツ」に新鮮な醤油をサッツとひとふり、その上から大匙一杯くらいのオリーブ・オイルをかける。
これは、レモンの場合と東西を分けるほどの美味しさなのである。
小豆島・井上誠耕園のHPに「小豆島のオリーブ畑は規模が小さく収穫量も少なく搾れる量も僅か、一粒一粒手摘み、一粒一粒手と目で確かめながら選別するためコストが嵩む。多くの人に良質のオリーブ・オイルを食して貰いたいとの思いからスペイン・ルケ家と提携、今年11年を迎えた」とある。
頂いたお土産のオリーブ・オイルの裏張りにも「原産国スペイン」と表示されている。
井上誠耕園の話によれば「種子から得られる他の食用油とは異なり、オリーブ・オイルは果肉から得られる唯一の油なので精製工程を必要とせず、風味や機能性が自然な状態で備わっている」そうだ。
また巷でよく見かける「バージン・オイル」の意味について「オリーブの果実を搾汁し加熱処理など一切行われていないもの」とし「その中でも酸度が1%以下であって、尚且つ、オリーブ・オイルの理想的な特性と風味を兼ね備えているものをエクストラ・バージン・オリーブ・オイル」と格付けし「エクストラ・バージン・オリーブ・オイルと品質が中程度のバージン・オイルをブレンドしたものをピュア・オリーブ・オイル」とすると説明している。
お土産のボトルを使い切るのにどれほどの日時を要するのか分からないが、数千年の時空を超え地中海世界からやって来たオリーブ・オイル、我が家の食卓にも根付く事になるのであろうか。