庭に6センチも積もった雪の日の前後から続いていた猛烈な冷え込みが緩み始めた。
何日か暖かな日和にほっとしたかと思うと、明け方の冷え込みでサッシに結露ができたり、今は正に、三寒四温の季節である。
今日2月3日は節分。
「恵方巻と言ったって普段の太巻きとあまり変わらいし・・・」と買う気は全くなかったのだが「年に1度だからね、お昼は恵方巻にしようか」ということになり、近くの寿司屋さんまで行ってきた。
コンビニの恵方巻に比べて結構太くて立派なものだが、一本580円、主な具材で3種類の巻き方があったが、求めたのは「昆布巻」。
節分を迎える一週間ほど前のことだが、「今年は遅いね・・・甘泉堂(京・祇園/水羊羹)も止めたから、あけぼの(東京・銀座/福豆)も止めたのかしら」とやや心配顔の妻、丁度その時、リンリンリンと食卓の電話の呼び鈴に受話器を取った妻の顔がパッと明るさを取り戻す。それもそのはず、「いつものように郵送しようかと思ったけれど、今日は天気もいいし暖かだし、封書を書く一手間を省いて、今から届けに行こうかと思うんだけど」という待ち人からの嬉しい電話であったのだ。
食感が何とも言えない豆の他に色とりどりの落雁と金平糖が”春近し”を寿ぎ、明日4日が二十四節気の立春、暦の上では春を迎える。
寒さに耐えて蕾をきっちりと閉じ込んでいた鉢植えの梅、“福豆”が届けられた日あたりから「ぽっ」と蕾が紅らみ始めていたが、今朝カーテンを開けながら覗いてみると、可憐な花を咲かせている。庭に出て花弁に鼻を近づけると、ぷーんと、優しい春の香りが漂ってくる。
大きく枝を伸ばした梅の記念樹が見事な花傘を楽しませてくれるのも、間もなくであろう。
夏みかんも色づき始めた。3月中旬の収穫期に供え最後の仕上げを急いでいるようだ。
春を待ち侘びる気持ちは万人共通のものだが、特に、高齢者にとっては、誠に有り難い事なのである。