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2018年 03月 09日
街中で、Honda Super Cubに乗っている人を見掛けると、いつも、思い出してしまう人が居る。所帯を持って初めて建てた平屋建ての小さな家に住んでいた頃、二人とも小学生であったか、よく似た顔の兄弟が家の前に住んでいた。長じて長男がサラリーマンとなって一家を成し、福岡・名古屋・東京と模範的な転勤族となった彼であった。
定年が近づいてきた頃、独り身となって久しい年老いた母親が「息子が一緒に住んでくれるんだと」と言っては、心待ちにしていた嬉しそうな姿が目に浮かぶ。入所や入院を繰り返えすようになった母親の面倒を見なければならなくなった彼は、しばしば、空き家同然となった家の掃除に来ていたが「コーヒーは如何ですか?」と誘うと「ありがとうございます」と、にこにこ顔で我が家のソファーに身を沈めたものであった。 営業マンであった彼の話題は多岐にわたったが、前サラリーマンの話を聞く元サラリーマンも「彼も自分と同じような道を歩んできたのだなー」などと心和むひと時を過ごしていたのだが、「五百円硬貨の秘話」には驚かされたものであった。 自分も五百円硬貨を貯めていた一時期があったが、それはあくまで、何かを買った折にお釣りとして手にしたもの、家族にカレーライスを奢る程度の事でしかなかったが、彼は、貯まった五百円硬貨で憧れのギター・ギブソンを買ったのに続き「今度は、Honda Super Cubを買うんですよ」と硬貨を貯める「秘訣」を語ってくれたのである。 コンビニなどで買い物をしたとき、勿論自分の小遣でだが、500円以上のお釣りがくる場合などに「500円硬貨をくださいね」と念を押すのは初歩の初歩、必ず500円硬貨が貰えるように、あらゆるお金の出し方をするのだそうだ。 貯金箱がいっぱいになると郵便局に飛び込み通帳に入金してもらう。彼は「これは、誰からも文句を言われることがないお金だから」と、発売50周年記念「2007年Super Cub50 Standard」の獲得をサラリーマン最後の夢として追いかけていたという。 年老いた母親の入院が長期化し始めた頃、彼が「家を建て替える事にしました」と新居の設計図を持ってやってきた。「海が見える東側の二階の部屋で、孫と過ごすのが楽しみなんですよ」と、とても嬉しそうに話し込んでいた。 何日か後「タッタッ、タッタッ、タッタッ」という軽快なエンジン音が聞こえてきたので彼の家の方を見ると、この近辺をひと回りしてきたらしいヘルメット姿の彼がいた。「やー、初乗りですか?」と走り寄り「記念写真を撮りましょう」とSuper Cubに跨った彼にカメラを向けると「石井さん、ようやく買えましたよ」とニコニコ顔で「新しい家が出来たら、これに乗って新聞配達をしようかと思っているんです」と大真面目に言っていたのだが・・・ しかし、初乗りで一度だけ乗った「2007年Super Cub50」に再び乗る彼の姿を見ることは無かったのである。 異常に血圧が高いと言っていた彼は、それからまもなく、脳溢血に襲われて病院へ、それも、母親が入院している階上の病室であったそうだ。なんということなのであろうか、それから間もなく、この母と息子は、前後して亡くなったのである。 今月号のHonda Magazineは、発売から60周年で1億台を突破したというの「スーパーカブ特集」であったが、「どうだっ」という顔してSuper Cubに跨ったヘルメット姿の彼を懐かしく思い出したのである。 中央下の写真が10年前に発売50周年記念の「2007年Super Cub50 Standard」である。 乗る主が居なくなったSuper Cubは家の正面にある物置に置かれていたが、販売店のご主人らしい人が軽トラで引き取り来ていた。奥さんから引き取りの依頼があったのだろうと思うが、誰かが格安で買い受け、「タッタッ、タッタッ、タッタッ」という軽快なエンジン音を響かせながら、乗り回していることであろう。 母や孫と暮らすことが一度も無かったこの家は、家付きのまま売りに出されて更地となり、今は、若い夫婦が仲良く暮らしている。
by c-bridge
| 2018-03-09 13:45
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