久しぶりの箱根遊山は実に楽しいものであった。
芦ノ湖畔から車で急峻な坂道(2回ほど乗り換えのエスカレーターがある)を上がると、丘の上に『成川美術館』がある。
1988年開館とされる本館は日本画4000点余の所蔵で有名な美術館であるが、丁度この日は『平山郁夫.壮大なる宇宙.シルクロード展』の開催中であった。
ゆったりとした展示室の一点一点を鑑賞し、解説文を丹念に読み込み、また鑑賞する。
いつしか湖面に立ち込めていた濃霧が天空に吸い込まれて、ロビーから眺める芦ノ湖は「見事!絶景かな」であった。
藤原京や平城京のモデルともいわれる長安の都を、深い紺色を基調に雄大なスケールで描いた『長安の残輝』を、箱根遊山記念として買い求めた。(勿論、複製で実物に比べれば極めて小さなもの)
我が家に帰り「さてと、どこに掛けようか?」という現実の問題に直面したのだが「そうだ、モンローさんは元の古巣にお帰りいただこう!」ということになり、階段の踊り場に収まった。
モンローさんは「長いこと居てあげたから、私もそろそろお暇しようと思っていたのよ!」などといいながら満足そうなお顔である。
散歩道の畔に咲いていた『秋アザミ』を一輪頂戴し、花留に挿してみた。