「布団の上げ下げも億劫になってきたね」などと呟き始めたのはいつの頃からであったろうか。特に冬の季節は、分厚い敷物に変わったり、掛け系も多くなる。加齢と共にだんだんと面倒になるのは致し方のない事かも知れない。
只ひたすら、布団の上げ下げから解放されたいという一心で、日本間二間を潰してベッドルームに改装したのだが、それが竣工したのは平成18年12月のことであった。早いもので、それから4年になろうとしているが、改装中は大変な辛抱を強いられながら遣りぐっていたことなどが思い出される。
日本晴れが3日ほど続いていた日に、ベッドのマットやパット、カヴァー類を日干し.陰干しをした。秋空の下、庭中にずらりと並んだ様はなかなかなものであったが、それぞれがカラリと乾き、陽光のエネルギーをたっぷりと含んだベッドは気持ちが良いものだ。
ベッドの下見に名古屋の全デパートや大手の家具店を廻ったが、「これだ!」というものになかなか出会えずにいたのだが、異業種交流会の会員がパラマウントベッドを紹介(同社名古屋支店支店長)してくれた。
広々としたショールームには、デザインや機能が一新された“INTIME”シリーズが並べられていて、スタッフの方が一台一台について丁寧に説明してくれ、寝心地を確かめたりした。
暮れも押し迫った28日、ベッドを運んできてくれた男女の営業が手際よく組み立て、新装成ったベッドルームに設置してくれた。
ベッドに敷かれている“すのこ状”のものは「キューマライン」といわれるものであるが、電動リモコンを使うと、首、背中、腰、足に当たる部分が適度な湾曲を形成し体にフイットする。そして、必要な場合はベッドを上げ下げすることもできるので、使い勝手はすこぶる良好だ。
パラマウントベッドの資料に拠れば、「キューマ」とはギリシャ語で“波”を意味するのだそうだ。
これから先、毎日毎日の寝起きのことなどを考え合わせると「丁度良い時期に入れてよかったね」などと話しながら、床下の土間や天井裏の二階のコンクリートの床などが、荒々しい姿で迫っていた長い長い工期を懐かしんでいる。