味噌汁にとろろ昆布を入れたり、生ワカメや生コンブに“ゆずか”をかけり、普段から海藻類はよく食する方だと思う。
いつも買い物に行くスーパーは、もともと海産物&塩干物専門の問屋であったから、鮮魚.魚貝類を中心とした売り場つくりはお手のもの、他の店では見られない珍しい海産.塩干類の商材が、所狭しと並ぶ。
等しく地元の客が待ち遠しく思っている商材に「生メカブ」がある。早春からツツジの季節にかけて、このスーパーの魚売り場に並ぶのだ。
一見、爬虫類を想像させるようなグロテスクな姿をしているので、初めて見る人は「一体、これはなんだ!?」と驚く人も多いという。
資料によれば「メカブ」は、ワカメの根元(付着器)の上に位置する帯状の螺旋葉体(ワカメの生殖機能部位)で、「新しいわかめ」の命を育む数億にも及ぶ胞子群を発生させる装置なのだそうだ。
メカブには、アルギン酸をたっぷりと含むヌメリ成分や、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄などのミネラルが、葉(わかめ)の数倍も多く含み、水溶性の食物繊維やカロチンも多いという。また、発ガン抑制効果があるとも言われているそうだ。
この不気味な色をしたメカブを熱湯に入れると、豊かな深い緑色を呈した「生ワカメ色」に大変身をする。
我が家では、スライスにしたメカブに”ゆずか”をかけて食するのだが、こりこりとした歯ごたえが心地よく、粘り気が強く、誠に美味。酒の肴に良し、温かいご飯にかけても納豆と混ぜても良し、季節限定のありがたき食材である。
「ゆずか」は、柚子の香り豊かな“まろやか果汁ぽんず”で、我が家では欠かせない調味料の一つである。