大安21日午前10時30分、冬の陽射しを受けて眩いばかりの新車HONDA FREEDが玄関先に横付けされた。トヨタ・マークⅡ、三菱・デボネア、ホンダ・セイバーに続く我が家四代目となるマイカーである。
15年間で65、000キロしか乗っていない前任車・セイバーには何處と言った不具合がある分けではなかったし乗り心地も満点であったが、数年前から、妻の足腰が心もとなくなってきて「近い将来、リフトアップ・シート車が必要になるな」と強く思うようになり、トヨタやホンダのショールームを見てまわることが多く成ってきていた。インターネット等で比較検討し「これだな」と判断したのが“FREED FF サイドリフト”なのである。
フル・モデル・チエンジのFREEDは、色見本を見た瞬間に決めたボディカラー「モダンスティール・メタリック」と相俟って、外観がとてもスマートに仕上がっている。外観と釣り合いがとれたモカ系の内装なども落ち着いていて、車内の雰囲気は代車の場合とは大違い、気分よく運転できそうである。
その日の午後「天気もいいし、竹島にでも行ってみようか」ということになり、妻がサイド・リフトアップ・シートの試運を開始、リモコンの電源を入れ「出」のボタンを押すと、微かな機械音と同時に、ゆっくりとシートが外側に向き直り、そのまま、外にせり出し、腰を下ろす位置まで下がってくる。
やや緊張気味の妻が“そろり”と腰を掛け、再度、電源を入れ「入」のボタンを押すと、静かに上昇を始め、ぐるりーと内側に向き直り、複雑な後部座席の空間を難なく通り抜け、シートの定位置にピタリと停まった。
二人で顔を見合わせ「よかったね」と頷く。
代車のフリードに比べて振動や横揺れが軽減されとても運転のしやすい車である。
ユリカモメが群れる竹島には光が満ちていて、我が家四代目となる新車FREEDを祝福してくれているようであった。
妻も「中の色が落ち着いていて窓がとても広く感じるね、リクライニング・シートはベッド代わりにもなるから、災害時など、二泊くらいなら出来そうね。シートの位置を前後に動かすボタンも使い易いよ。窓全体を覆う日除けもあるしね」などと気に入ってくれたようだ。
竹島の海を眺めながら「FREEDにして良かった!」と嬉しく思ったのだが、妻が1回でも多く、サイド・リフトアップ・シートのリモコンを手に取って呉れれば良いが、と、願うのである。