Bar DON GIOVANNIでアイラ・モルトを楽しんでいるとき娘が「グラスの底に何か書いてあるね」と言った事と「格好いねこのグラス、鹿島に4脚揃えると良いかもね」などとやんわりと弟にジャブを入れていた事などが耳に残っていたのだが、旅行も終わり娘も帰った次の日の朝、宅急便が届いたのである。
「何だろう?」と開けてみると、グラスが4脚入っている。DON GIOVANNIでアイラ・モルトを楽しんだグラス、送り主は息子であった。
息子に「いつ頼んだの?」と確かめると「Barから部屋に戻って、直ぐに頼んだ」という。息子がボルドーの骨董市で買ってきたワイングラスも鹿島に4脚あって皆が集まった時に使っているのだが「このグラスも鹿島のハッチに並ぶといいかな」とでも思ったようである。多少、娘のジャブも効いたのだろうが、嬉しい事であった。
届いたグラスは、スコットランド・グラスゴー・グレンケアンクリスタル社製の『グレンケアン・ブレンダーズ・ モルトグラス』と称し、スコッチウイスキー評論家のリチャード・パターソン氏を始め、ウイスキーづくりに勤しむブレンダーや蒸留所関係者等、数多くのプロフェッショナルな人々の意見を取り入れて完成させた究極のモルト用グラスだそうだ。
ワイングラスはボウル(丸い本体)+ステム(脚)+プレート(台)から成るが、アイラ・モルトが注がれたこのグラスは、口部がすぼまり、ボウルの部分が広く、重厚なプレートが安定感を与えている。ウイスキーやモルトをボウル内部で回し空気に触れさせることで、モルト本来の香りを引き立たせ引き出すことができ、すぼまった口部が香りを逃し難くするのだという。
グレンケアン社から発売されたのは2002年のことだそうだが、現在では、スコットランドの蒸溜所のビジターセンターのどこでもこのグラスが供されていて、発売以来500万個以上が売れているという。グラス底の文字はThe Glencairn Glassと書かれているのだ。
自分は全く知らない世界なのだが、スコッチウィスキー協会から公式のシングルモルト用グラスとして認定されたこのグラスは、『ウイスキーマガジン発行元・パラグラフ・パブリッシング社』が主催する『ウイスキーライヴ』の公式グラスでもあるそうだ。
ウイスキーライヴは世界19ヵ国27都市で開催されているのだが、日本で14回目となる『WHISKY LIVE PARTY TOKYO 2016』は、昨年9月、汐留のパークホテル東京25階ラウンジ&26階(汐留)で華々しく開催されたという。
スコッチ、アイリッシュ、イングリッシュ、アメリカン、ジャパニーズなど世界の主要メーカーあるいは蒸留所の製品が出品され限定200名、ジャズ生演奏を聴きながら世界のウイスキーを楽しむ『ウイスキーライヴパーティー』は、自分には想像できない別世界なのであろう。
それにしても、とんでもないグラスが我が家にやってきたものだ。