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ビジネスサポート・ コミュニケーションブリッジ 代表 石井 吉治 yosiharu(あっと)mis.ne.jp >> WEBサイト ★☆ブログ更新予定☆★ 業務日誌 :月~金曜日 (祝日を除く) 企画の勘所 :日曜日 最新のトラックバック
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2017年 11月 03日
何十年も欠かさず暑中見舞と年賀状を届けてくれる古い古い友人がいる。
いつもならば、キッコーマンを寿退社した娘さんの近況とか孫の話が多いのだが、今夏のハガキには「貴兄に初めてお目にかかったのは49年前でした。生意気盛りの私を・・・」と書かれ、「そうか、あれから49年も経ったのか・・・久しぶりに会いたいなー」と思っていたのであった。 古くからの友人と言っても彼は取引先の男だ、が、「懐かしいなー、どうしているかなー」と顔が思い浮ぶ男は、そうざらにあるものではない。 49年前、初めて彼と会ったのはエアーターミナルホテルのスタッフ控室、と言っても、「そんなホテルって聞いたことないわ!」とおっしゃる方がほとんどではないか。 羽田空港ターミナルがオープンし東京モノレールが開通したのは1955年(昭和30年)の事、世界の未知の国へと飛び立ち、見知らぬ国から飛来する飛行機は憧れの的、空港ビル屋上には発着を見物する観覧場があり一大観光スポットであったくらいだから、「そんなホテルって聞いたことないわ!」とおっしゃるのも無理のない話である。 空港敷地内には羽田東急ホテル(アネックスを含む)があったものの、空港ビル内の唯一のホテルはエアーターミナルホテル、そして、2階だったか3階だったか、バーでカクテルグラスを傾けメインダイニングで食事をしながら飛行機の発着を楽しめるレストランが「グリル・アビヨン」、このレストランの副支配人をやっていたのが“この男”なのである。当時「ソムリエ」という言葉が日本のレストラン業界で使われていたかどうか覚束ないが、彼は飲料関係のチーフ、今で言うと“シェフ・ソムリエ”(Chef Sommelier)という責任ある立場の男であった。 自分には足元にも及ばないほど、彼は、フランス・ドイツなどのワイン事情に長けていたが、反面「葡萄の栽培技術や醸造技術に関しては駄目なんだよね」と、実際面の情報不足を自覚していたのも、彼であった。 この辺りから、自分は、マンズワインの手助けを貰い「葡萄栽培や醸造技術に関する情報」を伝え、彼からはヨーロッパワインについての近況を教えて頂くという関係が生まれ、それが、お互いの信頼関係を醸成し、紆余曲折はあったものの、49年間もの間、途切れることない親交が続いてきたのである。 途中入社の新人営業マンもそれなりの実績を積み重ね副課長に昇進した頃、自分は、ワイン黎明期の長いトンネルから抜け出そうとしていた昭和44年から漸く陽が射し始めようとしていた48年6月までのワイン事情を「東京市場におけるマンズワイン販売のあゆみ-課員そのパンと恋と夢(社内資料No695・昭和49年8月)」として営業本部から発刊、ワイン市場の推移やセールスキャンペーンの歴史をまとめたのであった。 この古い話の社内資料を思い出し「彼の事も書いていた筈だ」と抽斗の奥から引っ張り出して見てみると、ホテル関係の攻略アプローチの第1項に、エアーターミナルホテルのことが記載されている。グリル・アビヨンの輸入と国産ワインの年間販売額なども書かれているのだが、その中で、「マンズワイン・ゴールドが第1位」と明記されているではないか。 互いの信頼関係が深まっていく中で、自然と、マンズワインの販売にも力を入れてくれるようになっていったのであろうと、懐かしさが込み上げてきた。 東京に行く機会があったので「一度会いたいね」とハガキをだすと「石井さん、いつ来るの?待っているから」という電話が来た。彼の話しぶりは昔と何も変わらず笑ってしまったが、その場で、日時を約束したのであった。 いよいよその日が来た。 小雨降る中を秋葉原で総武線に乗り換え御茶ノ水まで来た時「新小岩で人身事故が発生しました。この電車はこのまま暫らく停車します」という車内放送「直ぐに走り出すさ」と呑気に構えていたが、なかなか動かない。彼との約束時時間が刻々と迫ってくる。待ちきれずにタクシーで神楽坂にある「フレンチレストラン・ラリアンス」に急いだ。 飯田橋西口を出て神楽坂を登り始めてすぐの右側にラリアンスがあるのだが、レストラン前の歩道に傘をさし今か今かと自分を待っている彼がいた。「ごめん、ごめん、電車が止まってしまってね・・・」と久しぶりに会う二人には似つかわしくない挨拶をしながら、予約席に案内してくれたのであった。 彼はL'Allianceの総支配人、少なくなった頭髪は白さが目立っていたが、正装した彼は立派なものであった。 彼は日本ソムリエ協会の設立にも主導的な役割を果たし、政財界や芸能・スポーツ関係の面々から「赤プリ」の愛称で親しまれてきた赤坂プリンスホテルの飲料部長・シェフ・ソムリエを勤め上げ、日本ソムリエ協会認定マスターソムリエ、ボルドー・ボンタン利酒騎士団コマンドール、ブルゴーニュ利酒騎士団シュバリエ、ドイツ・ファルツ州認定名誉ソムリエなどの称号を持ち、日本ソムリエ界の重鎮として多くのワインラバーから信頼されるソムリエ中のソムリエなのである。 吹き抜けかと思われる高い天井の下に広がるメインダイニング、全面ガラス張りのオープンキッチン、調理人たちのきびきびとした動く様が活気を醸し出し、上層階へ伸びる大階段が空間の広がりを演出して、女性ピア二ストが奏でる「美女と野獣」のテーマソングがレストランの雰囲気を盛り上げていた。 見慣れている大皿・大盛が常態の我が家のテーブルから見ると、誠に上品なフルコースであったが、厳選された素材、洗練された盛り付け、美味の数々、そして、セミヨン(Semillon)とソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon BLANC)半々で醸したベルジュラック・Bergeracの白ワインやメルロー70%カベルネ・ソーヴィ二ヨン30%などのアントル・ドゥー・メール(Entre deux Mers)の赤ワイン、彼に次ぐ貫禄あるソムリエがつきっきりでワインの説明などをしてくれたのであった。 「デザートの頃に、ゆっくりできるから」と言っていた彼がテーブルに腰を下ろした。 赤ワインで乾杯、特別な話もない再会であったが、矢張り、エアーターミナルホテル時代のことが懐かしくて堪らない、次から次へと、当時の思い出話が延々と続いていった。 外は小雨が降り続いていたが、出口まで見送ってくれた彼が「これ、面白いワインだから」といって赤ワインを一瓶差し出してくれた。 彼が差し出してくれた赤ワインはどんな「面白いワイン」なのであろうか。次回をお楽しみに。
by c-bridge
| 2017-11-03 14:05
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