去年秋の連続的な大被害をもたらしたスーパー台風や豪雨、今年に入ってからのパンデミックと宣言された新型コロナウイルスの世界的な感染禍、梅の香が匂うような優雅な名の令和の時代となったが、何か、年号に寄せる国民の切なる願いとは反対に、これから先にも思わぬ事柄に遭遇するのではないか、などと、思いたくなるこの頃である。
“思わぬ事柄”とは程遠いのだが、鹿島の家に来てから去年までの24年間、見たこともない珍事を、今年は、何度も目にしたのである。
我が家の庭で春一番に咲くのは梅とツバキなのだが、長年、裏山に住み着くヒヨドリ一家、彼らは、我が家の庭を縄張りと決め込んでいて、他の山鳥が飛来すると「憎らしい!と思うほど」猛烈な勢いで追い返しにかかる。
特に、餌が払底する春先に咲くツバキは彼らの恰好な餌場、咲き始めた真紅の花弁の花粉や蜜は彼らの生命を維持する貴重なもののようで独り占めを決め込んでいるのだが、今年は、花粉や蜜のみならず花弁を嘴でくわえては梅の木の所定の枝に止まり、むしゃぶりついているのだ。
妻と「こんな事って初めてだね、余程食べるものがないのか、あるいは、花粉や蜜に劣らない美味しいモノであることを新発見したものか、写真に撮ると面白いのにね」などと言っているのだが・・・
雑草が気になる季節になったが、音もなく降り注ぐ雨の日と日向ぼっこをしたくなるような陽光の日に恵まれ、寒風に晒されて枯れ木と化していた紫陽花も瑞々しい芽吹きの季節を迎えた。
今年は陽を遮っていたヒマラヤスギとホソバを伐採してしまったから、充分過ぎる陽光を浴びて、梅雨の頃には濃い紫色の大輪を楽しませてくれることであろう。
去年、息子夫婦が贈ってくれた鉢植えのブルーベリーに花が付き始めた。
薄い紅色の蕾が見られるようになり「どんな可愛らしい花が咲くのかな?」と楽しみしていたのだが、まだまだ若木のためなのか、正直、ブログで自慢できるような花弁ではない。
図鑑の映像を拝借して載せてみるとツリガネソウを少し大きく厚ぼったくしたような花で、よくよく見ると、色合いも控えめで花弁も気取らない普段顔、結構可愛らしいものである。
ブルーベリーは他のブルーベリーの花粉を付けてやらないと結実しないそうだが、花が終った後どんなことになるのであろうか。
真紅の薔薇を美しい唇に挟んで舞うカルメンのような?ヒヨドリの“珍事”の例もあることだし、ひょっとすると、“思わぬ事柄”が起こるのかもしれない。