娘と上野駅公園口で待ち合わせた。
お目当ては『国立西洋美術館』で開催中の『ヴィルヘルム.ハンマースホイ展』である。
ヴィルヘルム.ハンマースホイは彼が住んでいたコペンハーゲンの『ストランゲーゼ30番地』を中心とした街並みや教会や運河などを画いたデンマークを代表する画家である。
特に彼の絵は、彼が永年居住した住いの中の『部屋』を画いたものが多いのだが、そのほとんどの作品には人影がない。
彼の妻の『イーダ』が後ろ姿で画かれているものがあるが、まるで音のない静寂な世界だ。
日本では初の開催だそうである。
日経新聞に紹介されてから、見たい見たいと思っていたが、娘とゆっくりと観賞することができて幸せであった。
西洋美術館を取り囲むように聳える色づいた銀杏の大樹を借景に、ロダンの『カレーの市民』や『考える人』が秋晴れに映えて、とても美しく、心に深く残った一日であった。