今日は妻の誕生日である。
一週間ほど前から妻と娘が盛んに携帯メールで何かを相談し合ってる、と思っていたら、今朝、クロネコさんの宅急便が届いた。
重盛永信堂の『人形焼』と『ゼイタク煎餅』が届いたのだ。
市川(千葉県市川市)の社宅や松戸(千葉県松戸市)の社宅に住んでいた頃、よく子供たちを連れては人形町に繰り出したものだ。
松戸からだとJR常磐線で上野で下り、東京メトロ日比谷線に乗り換えて仲御徒町-秋葉原-小伝馬町-人形町と近くて行きやすかった。
みな懐かしい駅名である。
重盛永信堂は、水天宮から続く130もの店で賑わう人形町商店街の一番最初の交差点にある。
刺子半纏にねじり鉢巻の出で立ちで、年季の入った粋な職人が店頭で休みなく焼いている。
人形焼は七福神の型で焼かれるのだが、カステラ風の皮に「これでもか」といわんばかりの餡がギッシリと詰まっている。
大正6年の創業だが、大変貴重であった砂糖や卵をふんだんに使ったこの菓子は、当時から大人気を博していたという。
『ゼイタク煎餅』の名に恥じない味で、パリッと噛むとふあーっと解けて、口の中いっぱいに爽やかな甘さが広がる。
『イカリ煎餅』という焼き菓子もクロネコの中に入ってきたが、錨の型で焼いた掌サイズの大きなものだが、程よい薄さのために、アッというまに食べきってしまう。
この菓子には歴史も謂われもあるのだろうと思うのだが、定かではない。
妻の誕生日のおかげで、人形町を久しぶりに思い出したが、他では得がたい懐かしい美味しさを満喫した。